ストラトキャスター フレット交換

かなりフレットのすり減ったこちらのネックのフレット交換のご依頼。

早速抜いていきます。

溝の付近のローズウッドがチップしないように慎重に抜いていきます。

作業中は両手が塞がってしまうので写真にはありませんが、半田ごてでフレットを温めつつ抜くとチップするのを防げるのでそのように作業してます。

指板修正まで完了しました。今回は厚みの薄いラウンドローズなので削りすぎ厳禁です。

後々のトラスロッドの効き具合もこの作業で決まるので、長い目で見てベストな状態にしていきます。

今回はステンレスのジャンボフレットです。フレットを打ち込む最中にRが変わることはないので指板のRに合わせてぴったりに曲げる必要があります。この作業が全てといっても言い過ぎではないほどです。

ちなみに細いフレットや柔らかいニッケルシルバーのフレットは打ち込む際にRがフラットな方向へと曲がりがちなので指板Rよりカーブをキツくしたりします。

 

で、

 

今回のスレンレスジャンボはとても人力で美しく曲げられる代物ではありません。

そもそも機械的なカーブにする必要があるので機械で曲げるべき作業とも言えるでしょう。

業務用の長い状態のフレットなら曲げる専用工具を持っているのですが、今回はお持ち込みの切りフレットで短い状態のもので、これまた専用工具が世の中には存在するのですが、しばらく在庫切れ…(https://www.philadelphialuthiertools.com/luthier-tools/fret-bender-unbender-w-new-radius-gauge-body/?searchid=1788944&search_query=fret+bender)

 

というわけで専用工具を持っているMT Guitarworksの松本さんにお願い(甘え)しまして曲げていただきました。

ジャストで曲げていただいたのはもちろん、3Dプリンターで専用の収まり!脱帽です。

ジャストに曲げていただいたのでサクサク打ち込みまして、すり合わせまで完了。

新しいフレットの高さに合わせてナットも新規製作。

スモールからジャンボフレットなのでナットもだいぶ高くなります。

ブリッジミュートで痛くならないようにイモネジが飛び出さないように、セットアップもキッチリと。

ご依頼ありがとうございました!