メイプル指板のフレット交換

やや久しぶりのメイプル指板のフレット交換です。今回はフレットサイズの変更のための作業となりました。

スモールサイズからミディアムサイズ(ジェスカーの#55090)へ変更しました。

まずは元のフレットを抜いていきます。

毎度のとこですが、溝の周辺の木材がチップしないように慎重に。

一気に進んでしまいましたが、指板表面の直線、R、ペーパー傷を整え、メイプルの微細な導管を埋めるだけの極薄下地ラッカーを吹いてからフレット打ちします。

フェンダー的な工法ですとフレット打ってから下地吹くのですがそれだとフレットが塗装に埋まりすぎてせっかくのフレット高が無駄になってしまいます。

色々と工法を試して今は極薄下地吹いてからのフレット打ちの手順で行っております。

ご希望であればフェンダーと同じ工法で進めることもできますのでお申し付けください。

 

細かいところですが、指板面とグリップ面のエッジの面取りやナット上部からヘッド落とし込みにかけての面取りなどがこだわりポイントです。前者は演奏性、握りごごちに影響しますし、後者は塗装の境目のなじみに影響してきます。

さて、この次は色合わせ、艶合わせを行います。

最近はありがたいことにオーダー、リペア共にご依頼件数が増えてきて塗装場所が渋滞しております。

そのため作業によっては外注しています。

今回も色、艶合わせは信頼のギター塗装専門業者、OMO Custom Paintさんに依頼。(この写真は石田くんの作業場のものです)

OMOの石田くんは私のESP時代の同期で学生時代は同じ街に住んでましたし、同じ机で作業した仲でした。

そんな彼が独立して、仕事を依頼できるのがとても嬉しいです!

ESP時代に百戦錬磨の石田くんは当然仕上がりも最高です。

工房に戻ってきました。

色も艶も合わせ具合が完璧で境目なんて私が見てもわかりません。

フレット表面に乗った塗装を除去してフレットすり合わせ、磨きも完了。

フレットサイドの塗膜をしっかり除去しつつ指板エッジの塗膜を無傷で仕上げるのがなかなか難しいのですがそこは腕の見せ所でしょうか。

我ながら良い仕上がり。

セットアップも完了。

ご依頼ありがとうございました!