バロックリュート糸巻き修理

バロックリュートをお預かり。何のリペアかと言いますと…

つまみの根本から折れてしまった糸巻き破損修理。

糸巻き軸の太さにテーパーがついており、摩擦力によって固定されている構造です。つまり、押し込みすぎるときつくなり過ぎてしまい、その状態で無理して回すとこのように折れてしまうことがあります。

この状態だと、残った部分をペンチで引っ張ったりしても抜けません。

固着してしまった軸は少しずつ崩しながら外します。

綺麗に外れました。

新たな糸巻きはリュートの製作家の方にワンオフで製作していただきました。

軸の当たり具合を微調整していきます。仮取り付けしてみて、ヘッド側木部に強く当たっている部分はこのようにテカテカします。

このテカリが二箇所とも均等になるように軸を少しづつ削っていきます。

ペグの回転がスムーズかつチューニング時にはキュッと止まるような丁度いいフィッティングにしていきます。

軸の当たり具合の調整が完了したら弦を通す穴を開けます。

先端のはみ出した部分は切削し、取り付け完了です。弦を巻いてみてフィッティングも問題なしでした。

 

ちなみにこちら本物のガット弦なのですが、1セットで数万円するそうです…

それに比べるとギター、ベースの弦ってお安い物なのですね。

専門外の楽器なのであくまで破損物の復旧のみで楽器的な調整は行っていません。

ギター、ベース以外でも作業できる場合があるのでお困りの方はダメ元でお問い合わせください。

できない時はできないと言いますが。笑

 

(それにしても裏面の木工、スゴイナ〜)