これからのギター工房を考える…

持続可能な、という言葉を最近よく耳にすると思います。

 

地球の未来を考えると、人間の営みすべてを本気で見直さなければならないということを皆様も肌で感じることが多くなってきているのではないでしょうか。もちろんギター産業も見直さなければならない部分が多くあると思います。

そんな中、個人のギター工房として何ができるか日々本気で考えています。

 

現在出ている結論としては2つです。

 

1つ目は修理を積極的に行い、いまある楽器を長く大切に使っていただくということ。

 

修理しながら一つのものを大切に使い続けるというのはとても尊いことです。

地球への負荷の角度から見ると、新しく製作するよりもCO2の排出や、資源、エネルギーの消費は少なく済みます。

修理という仕事に誇りを持ち、どんなメーカーのギター、ベースでも修理を承っております。

 

 

2つ目はギターを製作する際には地元北海道産木材を積極的に使うということです。

 

現在お客様からの要望がない限り輸入木材は仕入れておりません。

環境に配慮した運営をしている林業事業体から北海道産木材を積極的に仕入れております。

 

ある研究によると、国産材に比べて輸入材を使用することによるCO2排出量は約10倍と言われております。

海外の山奥から遥々海を越えて運ばれているわけですから当然といえばそうかもしれません。

これは間違いなく国産材を使った方が地球にとっては優しいということになります。

現在は環境に配慮した林業を行なっている下川町、エスジェックの認証を受けている中川町から仕入れております。

また、北海道は植生の関係から、広葉樹の種類が非常に豊富です。これはギター作りにとって大変魅力的なことであり、地元製作を行っている私が使わない手はありません。

 

自分が消費者の立場に立ったときは、買おうとしている製品はどのように作られて、果たしてそれは地球にとって良いことなのだろうか、ということを常に意識しています。

 

ブランド志向のみではなく、本当の意味で良い製品を選ぶ時代になっています。

 

実際私もギターオタクなので国内外問わずメーカーの作るギターはリスペクトしていますし、素晴らしい楽器はたくさんあります。

ただ、私の物作りのスタンスとして、今の地球環境は無視できませんし、未来のギター作りを考えて行きたいのです。