Gibson SG-90のレストア

Gibson SG-90のレストアを行いました。
1980年代後半の僅かな期間だけ製作されていたレアなSGです。来るべき90年代を見越してモデル名に90としたものの、売れ行きはそうでもなかったようです…!

しかし、それさえもロマンを感じてしまうのはなぜでしょう…

俄然、作業にも気合が入ります…!

 

劣化したピックガードは新規製作しSGらしい黒の3プライへ。

錆びていたフレットの擦り合わせとクリーニングも行い、無事弾ける状態まで持って行くことができました。

セルロイド製のピックガードは劣化してバキバキでした。ビス類も錆がひどくどれもこれも回らない状態です。

これはなかなか作業のし甲斐がありそうです。

 

先ずはピックガードの作り直しから。錆びてたビスは2箇所のみ普通に外せましたが、残りはあっけなくビスの頭が折れてしまいました…。

頭が折れてしまってボディ内部に残ってしまったビスは周りを崩すような感じで小さな穴を開け、先細のペンチで取り除きます。その後一回り大きい径のドリルで下穴を綺麗にし丸棒で埋めます。

元のピックガードが原型を留めていないので、ボディに残った色焼けの跡を頼りに元のピックガードのラインをなぞっていきます。
こんな時はOHPシートが活躍。

 

MDFボードに貼り付け、先程トレースした線の通りに加工します。何ともアナログな方法ですがこれが一番です。

このMDFが型になります。

型をボディに当てがい、確認。問題なさそうです。

 

ラフにカットしたピックガード材を型に貼り付け、型に沿って加工できるトリマービットを使って作業します。

45°に加工できるビットに交換し、エッジの斜め落とし部分を加工します。

型さえ作ってしまえばトリマーを使いあっという間にここまで出来ます。
後は取り付けビス穴を開ければ完成です。

お次はフレットの擦り合わせ&クリーニング。
こちらもなかなかの錆び具合です…!

フレットの頂点出しもしっかり行います。
フレットの幅や高さによってヤスリを使い分けます。
こちらは鎬(シノギ)型のヤスリでフレットの根元〜中腹あたりを削っています。

フレットの頂点出しもしっかり行います。
フレットの幅や高さによってヤスリを使い分けます。
こちらは鎬(シノギ)型のヤスリでフレットの根元〜中腹あたりを削っています。

このように2段階で削ることによりしっかりとした頂点を出すことができます。フレットの頂点がしっかり出ているとピッチが良くなり気持ちよく演奏できますよ!

仕上がったフレットがこちら。錆びも無くなり、頂点もしっかり出したのでピッチも良くなりました。

ピックガードのビスもパーツカラーに合わせブラックに。

 

作業完了しました。

最初とは別物の演奏性と見た目になりました!