オーダーベース製作①(クラロウォルナットトップ Dorado Bass Single Cut Headless)

当工房のオリジナルベース、Doradoシングルカットのセミオーダーの製作です。

 

ざっくりと通常バージョンとの違いですが、

 

・ヘッドレス

・ボルトオン仕様

・5弦 Hi-C仕様

・33インチスケール

 

です。

当工房得意の希少材もバッチリ登場。

 

クラロウォルナットのクロッチ部分です。

クラロウォルナットとは元々はおいしいクルミを採るために、イングリッシュウォルナットとブラックウォルナットを接ぎ木した人工的(?!)な木材だそうです。

何年か経つとおいしい実が取れなくなるそうで、こちらのように木材として売られたりするそうです。

 

尚且つ今回は幹の分かれ目部分(クロッチ部分)という希少部位なので相当珍しいということになりますね。

 

イングリッシュ部分とブラック部分が何とも幻想的な木目を作り出しています。

今回はそれをトップ材に使用します。

 

いわゆるブックマッチという方法で、(ほぼ)左右対称な木目になるようにします。

 

一枚の厚みのある板を本を見開くようにパカッと挽き割るわけです。

 

弾き割るときに無駄が多く出てしまうと木目もどんどん違う模様になってしまいますので、高度な挽き割りの技術が必要です。

指板はシャムガキ(ジリコテ)を使っています。

こちらもかなり個性的な木目ですね。

ボディとネックの接合部をぴったりと同じ形に削っていきます。

 

このあたりの細かい部分を合わせられるのは1本づつハンドメイドで作っている強みでしょうか。

木工も残すところピックアップのザグリ加工のみです。

裏面はこのような感じです。

 

ヘッドレス用のチューナーをボディの裏に取り付けるために斜めのザグリを加工を行っています。

もう一つ斜め加工。

シングルカットの要ともいえるジョイント部付近のネジ留め部分です。

ノブも削り出しで作っています。

 

木工も大詰め。次回に続く。