コンター加工とは…
ギターを演奏する際に体(主に肋骨や肘)にあたる部分へのストレスを軽減するために、ギターのボディ部分を滑らかに削り落とす加工の事です。
文章にすると分かりにくいですが、下の写真(これはストラトキャスター)です。自然に体にフィットするように肘にあたる部分が斜めに削り落とされています。
よく見る加工なので、目新しさもありませんが実はこれフェンダー社の特許なのです。
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そして今回この加工を施すのはこちらのテレキャスター。
テレキャスター生誕60周年を記念して作られた1本です。
ボディ材にレッドウッドが使用されています。レッドウッドといえば巨木になることで有名な木材です。気になる方は画像検索してみてください。でかっ!ってなると思います。
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テレキャスターは元々、小さめの面取り処理しかされていないので体にあたる部分が気になるプレイヤーも多いでしょう。それと同時に『痛いのがテレキャスだ!』という方もいる事でしょう。
今回は、前者のお考えを持つオーナー様からコンター加工を施す依頼を受けました。
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先ずはパーツ類を全て外します。
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鉛筆で書くと見にくい色なのでマスキングテープでラインを書きます。
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当工房には大型のサンダーがあるのでこのような加工も短納期で出来ます。
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機械で加工した後は、手作業によるサンディングで傷を細かくしつつ歪みのない面に仕上げていきます。
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元の外周のエッジとつなげるように角を丸めます。
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新たに削ったところは色が薄くなっています。
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元々オイルフィニッシュなので、新たに削った部分にもオイルを入れて色と質感を合わせます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/i8f944c59c2b0cbad/version/1454857078/image.jpg)
元通り組み込んで完成です。
今回はエルボー部分のみでしたが、ウエスト部分ももちろん可能です。
元に戻すのが困難なカスタマイズですので、少々勇気がいるかと思います。サブでスタンバイしているテレキャスターに思い切って加工してみるのもありかもしれませんね。