ノイズ対策の定番、シールディング作業をご紹介します。写真は当工房のモデル"Sol"作業時のものです。
音の信号が通る部分を、電気が通る素材で覆いそれをアースに落とすことにより、外来ノイズをシャットアウトしてしまう(アースに落とす)作業です。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/i732c86299b6172ea/version/1446674186/image.jpg)
ボディの裏側。作業前のコントロールキャビティ。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/ic58091e8155b1c87/version/1446674212/image.jpg)
キャビティの淵にぐるりと銅箔テープを貼ります。
最終的にする『蓋』と、キャビティ内をしっかりと導通させる『橋渡し』をしてくれます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/ife29df117bc74901/version/1446674235/image.jpg)
先に貼った銅箔テープにかぶるようにキャビティ内に『導電塗料』を塗ります。導電塗料とは電気を通す塗料です。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/i92a7b3b3d098553a/version/1446674266/image.jpg)
ピックアップ側のキャビティも同様です。
これで電気の通る受け皿は出来上がり。あとは蓋をすれば電気の通る『箱』になり、ノイズをシャットアウトしてくれます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/ic527d4a6f63edc0b/version/1446674288/image.jpg)
それぞれの『蓋』部分に銅箔テープを貼ります。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/ide9d611d11592644/version/1446996568/image.jpg)
配線も済ませるとこのような感じになります。
最近では比較的安い価格帯の楽器でもシールディングされていますが、『アースに落とす処理』『音の信号が通るパーツ端子の処理』が不十分でトラブルになっているケースも多く見受けられます。
シールディングされているはずなのにノイズ多いなぁという場合は、ご相談ください。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/id5a2ad7a1de44393/version/1446674319/image.jpg)
今回は、ピックアップのシールディングも行います。
カバードタイプのハムバッカーや、テレキャスターのネック側ピックアップ、リップスティック等…金属製のカバーで覆われているものは、ピックアップ自体に元々シールディング効果があります。
しかしP-90や、ストラトタイプ、ジャズベースタイプ、プレシジョンベースタイプ等、プラスチックカバーのものは外来ノイズに対して無防備です。(メーカーによっては、あらかじめシールディング処理しているところもあります)
シールディング処理すれば外来ノイズに対しては有効ですが、高音成分がやや抑えられてしまう傾向にあるようなので、考え方は様々あると思います。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/i0545e558f7a2154b/version/1446674339/image.jpg)
先ずは上面を銅箔テープで覆います。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf119bc3921851580/image/i074e8f1de340f8d9/version/1446674363/image.jpg)
次にコイル部分をぐるりと巻きます。底面は金属プレートで覆われているのでそのままでOKです。
最後にそれぞれをつないでアースに落とせば作業完了です。写真撮り忘れましたが、ポールピースもアースに落とします。
個人的には、ピックアップのシールディング処理、ぐっとノイズが減るので好きです。
ノイズにお悩みの皆様、いかかでしょうか?