トップ材変更のカスタマイズ

工房始まって以来間違いなく一番大がかりだったカズタマイズをご紹介します。

こちらがカズタマイズする楽器。

ESPのBB-Ⅳというモデルです。すでに生産終了になってしまっているモデルです。

 

今回のご依頼は、このベースをキルトメイプルトップにするというもの。

 

現状はアッシュの2ピース。

このままトップにキルトメイプルを接着してしまうと弦高などに問題が生じますので、新規で貼り付けるキルトメイプルの厚み分を削り取ってからの接着となります。

削り取ったのがこちら。ピックアップのレイアウト変更も行うので一度元のザグリを埋めます。

削り取るといってもそう簡単にはいきません。

作られてから20年以上経っているこちらの楽器、ボディが反ってしまっています。

 

その為大型機械で厚みを落とすのはリスクがあります。ハンディルーターという機械は使うもののほとんど手作業に近い作業となります。

 

無垢材である以上、反りは仕方ないですし10年以上経っている楽器はボディに反りが出ているものは多いです。反りと聞くと心配になってきますが、ネックと違いボディの反りは問題になることは殆ど無いです。

当て木とクランプで何にも見えませんが…キルトメイプルを接着中です!

接着が完了しました。位置決め用の丸棒の穴が空いておりますが、ピックアップのザグリの位置なのでこの後無くなります。

大まかな木工が完了しました。まだ荒い磨きですがキルトメイプルがギラギラしています。

オーナー様ご希望のカラーに染色しました。(ザグリの中は後で黒く塗りますのでご安心を…!)

バック材は濃いグリーンに着色しました。キルトメイプルは見る角度で表情が大きく変わりますね。

クリア吹き付け後、水研ぎ、バフ掛けで鏡面仕上げに。照明も歪みなく写っています。

そして完成したのがこちら。

このBB-Ⅳというモデル、実はキルトメイプルトップの物もあるのですが、今回はピックアップ、コントロール部分のレイアウト変更があったのでこのようなカスタマイズとなりました。

ヘッド部分はロゴがある為、メーカーでの作業となります。僕の担当はボディのみ。キルトメイプルのマッチングヘッドの作業、ロゴ入れはESPで行われます。

 

ヘッドが完成したら是非とも見てみたいです…!